Wonderful DaysⅠ




田中とマリアの姿が見えなくなったのを確認すると蓮が再び視線を葵に向ける。


「なぁ、葵。本当にあの女、何者なんだよ?」


鋭い視線を向けてくる蓮は、神威の特攻隊長で。

普段、女を相手にしない葵が珍しく笑顔で対応した事に驚きを隠せないでいた。


「さっきも言っただろ。マリアちゃんだよ」


先程と同じように答えた葵。


「だから、名前なんか聞いてねぇよ!あの女の動きの速さと技のキレ、ハンパねぇ」


肘鉄を食らった時を思い出しているのか、悔しさを滲ませて拳を握り締めていた。


「まぁ、あの白石を瞬殺したくらいだからな」


ポツリと呟いた葵の言葉に蓮は目を見開いた。

< 136 / 757 >

この作品をシェア

pagetop