Wonderful DaysⅠ


「は、はい。あの……」


「───行くぞ」


葵さんに、目的地を聞こうとしたのに魁さんに遮られてしまった。

葵さんの言った通り、ゆっくりと進むバイクは私でも目を開けて流れる景色を楽しめた。

さっき、コンビニで時計を見た時は10時半だったけど……
魁さん達はこんな遅くまで家に帰らなくて大丈夫なのかな?

私に付き合わせちゃってるから帰れないとか?
家の人も、あまり遅くなったら心配しちゃうよね?


───私みたいに『捜索願』出されちゃったら、どうしよう!?


一人、脳内で妄想を膨らませていた私は、後ろから近付いてくるバイクを警戒していた魁さん達に気が付かなかった───


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