Wonderful DaysⅠ


どう話し掛けようかブツブツ呟きながら歩いていれば


「あれ? もしかして、マリア?」


名前を呼ばれて顔を上げれば、そこには王子様のように微笑んで目をぱちくりさせて立っていたホストが一人。


「あ…修さん……?」


私の名前を呼んだホストは、母の弟の修さん。

私の叔父さんだった。

叔父さんと言っても、母とはかなり年が離れていたから私にとっては兄のような存在で。


「やっぱりマリアだったか。あまりにも容姿が違うから、わからなかったよ。久しぶりだね」


私の顔をマジマジと見ながら言うから


「お久しぶりです。そう言う修さんは、何でホストの格好なんてしてるんですか」


私も疑問をぶつけてみた。


「あれ? マリアは知らなかったっけ? 俺、一応ここのオーナーなの」


「は? 修さんが、ホストクラブのオーナー?」


「うん、そう」


「初耳なんですけど……」


知ってたら、此処が目的地って言われても驚かなかったし。


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