Wonderful DaysⅠ
後部座席はフルスモークで覆われていて、車内の人物は確認出来ないが……
間違いない。
あれは、ウィンザー家のリムジンだ。
『……魁? どうした?』
いつの間にか耳から離れていた携帯からは、父さんの声が聞こえてくる。
「あ~、ごめん、父さん……」
携帯を耳に当て直しながらも、視線はリムジンを追っていて。
『何か、あったのか!?』
「いや……」
心ここにあらずの俺は、父さんの声にも生返事で返すだけだった。
そして、その間にもリムジンは、静かにウィンザーの本社玄関前に横付けされる。