Wonderful DaysⅠ


「あ、綾ちゃんも神威の結城さんって知っているの?」


「え?周防さん、結城さんの事知らないのっ!?」


綾ちゃんに聞いたのに、声は何故か隣の席から聞こえてきて・・・

声のした方を見れば、ちょっと派手目なメイクをしたギャルの荒井さんが有り得ないって顔をして私を見ていた。


「はい、知らないです」


魁さんは知っているけど「神威の結城さん」は知らない。


「じゃあ、教えてあげる。神威って言うのは関東でも有名な暴走族なの」


荒井さんの「暴走族」と言うキーワードに、どくりと心臓が跳ね上がった。


「ぼっ、暴走族っ!?」


私の大声に周辺の席の人の視線が集まる。

恥ずかしくなって、口を押さえて下を向けば


「結城さんはその暴走族の元総長なの」


荒井さんが話を続ける。


───暴走族の元総長!?





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