小悪魔な彼
 
あたしの名前を呼んだのは誰?

颯太?


……ううん。
颯太はそんな声じゃない……


じゃあ、あたしの今、目の前にいるのは……


「!!」


重い瞼を必死に開け、その人物が瞳に映る。

あたしの上にまたがって、見下ろす影は……



「………猛…にぃ……」



信じがたい人だった。

恐怖が、あたしを襲う。
 
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