小悪魔な彼
「うん。葵ちゃんからの手紙を預かってきたみたいで……。
葵ちゃん、あたしに謝罪の言葉を送ってた。
あたしを羨ましがってただけで……本当は大好きだって……」
「……そうですか」
その言葉を聞いて、颯太が微笑んだ。
きっと颯太も心配してたはずだ。
あたしと葵ちゃんの関係を……。
「俺から見ても、葵ちゃんは香澄のことが本当は大好きなんだろうな、って思ってましたから」
「ほんと?」
「はい。明らかに、愛情の裏返しでしたよ」
それを聞いて、あたしも嬉しくて笑った。