小悪魔な彼
 
前にも聞いた質問。
だけどあの時は結局、「入学前に会ったことがある」とだけしか聞けず、好きになった理由は分からなかった。


こんなに綺麗な顔をして、カッコよければ、女の子のほうが放っておかない。
あたしになんかこだわらなくても十分なはずだ。


それなのに……



「それは、香澄先輩が俺を特別視しないからですよ」

「……え?」



突然聞こえた声。

気が付くと、閉じられていたはずの瞼は開き、じっとあたしを見つめる峰岸くんがそこにいた。
 
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