The side of Paradise ”最後に奪う者”
「テーブルの上にお前の内線番号のメモを置いてきたから、起きたら電話があるだろう」
「あなた、ただ居ただけですか。
覗き見の変態ですか」
涼の表情がさっと変わって成介を見た。
成介は殴られるかとも思ったが、言わずにいられなかった。
「このチャンスを活かさないで何やってるんですか」
涼は顔を会議室に向けると乱暴に入って行った。
「全く、勘弁してくれよ」
思わず成介はぼやいてから秘書室に戻った。
こうなったら会議が終わるまで眠り続けるように、睡眠薬でも盛ってしまおうか。