The side of Paradise ”最後に奪う者”
*
目を開けた。
優美な曲線の家具。
ウルゴイティの自分の寝室なのに段々と気が付いた。
自分のと思っていたけど。
さやかとフェリックスの子供が生まれれば出なくてはならない。
居場所と思っていたところが次々と無くなっていくな。
ぼんやりと思った。
「気づいたか?」
フェリックスが窓に寄りかかり、外を見ていることに気が付いた。
「ああ・・」
体を起こす気力も無かった。
しかしここに来たのは仕事があるからだ。
上体を起す。
まだ外は明るい。
そう遅れにはならないだろう。