The side of Paradise ”最後に奪う者”

玄関で最後に綺樹の肩を抱き寄せずにいられなかった。

このドアをくぐったら、もう戻れない。

現実だ。

くちびるを重ねて、その温かみも感触もむさぼりつくしておこうと思った。

二度と会えないわけではない。

それが涼の唯一の救いだった。
< 503 / 819 >

この作品をシェア

pagetop