The side of Paradise ”最後に奪う者”
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戻るなら、の限界が来ていた。
涼の健康状態も限界だ。
綺樹は戻らないことに決めた。
その夜、ソファーで夢と現の間を彷徨っている涼の寝顔を見つめた。
ごめんな。
触れられない手で頬を包む。
黒いくまが出来ている。
覚えていて欲しいと思ったこともあったけど、やっぱり。
早く忘れて。
全てを。
くちびるをあわせるようにしてから、最後に自分の容器に近づいた。
ご苦労さん。
中々良かったよ。
上に行こうとして、ぴりっと電気のようなものが走った。