The side of Paradise ”最後に奪う者”
「おめでとう」
機械的に言葉が出たが、フェリックスは無視した。
「ひどい会議の状態だ。
責任のなすりつけあいで、誰も対応しようとしない。
早くも非難が出始めている」
綺樹はトップの顔ぶれを思い出して納得した。
「さやかは無理に出ようとしているが、出たら子供は駄目になる」
私の二人目は殺された。
さやかによってだ。
言葉が喉まで出かかる。
彼女には既に一人いるのに。
ずるいじゃないか。
嫉妬とひがみだった。
そんな自分がとても嫌だった。
よりによって大切な従姪に対して。
だから答えた。