The side of Paradise ”最後に奪う者”
*
今日もあの場所に立つのか。
それはとてつもない恐怖だった。
飲み込まれて、息が出来ない。
その状況に気づいているフェリックスが気遣いを見せるが、全て跳ねつけていた。
もうその胸にはすがれない。
さやかの場所だ。
違うものを頼りに、薄氷の上を歩いているような日々だった。
やっとさやかの状態が落ち着くと、その登場で、あっという間に物事は好転しだした。
やっぱり女王なのだな。
遠くから議場に立つ姿を見つめ、ぼんやりと思った。
周りを制する威圧感、抵抗するものは冷ややかな眼差しと言葉で完膚無く叩き潰される。
ダバリードはこの問題を完璧に処理するだろう。
社会にそう十分に納得し安心感を抱かせた。