The side of Paradise ”最後に奪う者”
「なにしているんです?」
「コーヒーを淹れている」
「僕の分はあるかな」
「うん、ないな」
笑いながら聞くと、笑いながら返された。
「起して欲しかったな」
瞬は時計に目を走らせて、服を着始める。
「私は寝た男には優しくしないんだ」
「そういう意味では寝ていないでしょ」
「うん、まあ、そうか」
「だから優しくしてください」
綺樹が笑い声をたてた。
「急がないと、出社時間に間に合わないよ」
「そんな優しさはいらない」
からからと笑っている。