The side of Paradise ”最後に奪う者”

秘書室にいた社員たちは、物が叩きつけられる音に驚いて、執務室へ向いた。

ドアが叩き開き、涼が部屋を荒々しい足音で出て行く。

成介は開けっ放しのドアから、携帯が床に転がっているのを見て、立ち上がった。

拾い上げると充電池が外れ、液晶にはヒビが入っていた。

何事だ。

振り返ったが当然、涼の姿は無かった。

でも綺樹がらみだろう。

それは察しがついた。


「この携帯高いんですよ」


ブランドとメーカーのコラボで1点物だった。

付き合いで、買わざる得なかったのだ。

成介はぼやいて、不安に眉をしかめた。

涼は地下の駐車場まで下りると車に飛び込んだ。

血が沸騰して、頭の中で煮えたぎっているようだった。

どこに行くかは決まっている。
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