またね…
こうして、私達は病室から出た。





「美希っ!なんで言わないの?あのお弁当箱も美希のなんでしょ?なんで言わないの!」




香奈は目に涙を溜めながら真剣に私を叱ってくれる。



今の私には、それがスゴく心強かった。





私は1人じゃないんだ…





「な、なんで、言わないのさ…」




香奈は自分の事かのように一緒に泣いてくれた。




2人で思う存分泣いたあと、私は言った。




「まだ、すぐには先輩のことを思い出にはできないと思う。でも、決して立ち止まったりはしない」

って…




でも、香奈が言ったことが今でもはっきりと覚えている。





「美希…。そんなに無理して忘れることないよ。反対にその思いを大切にすればいい。長い時間をかけて整理をしていけばいいんだよ」





その言葉に私はまた泣いてしまった。




ありがとう。





本当にありがとう。







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