またね…
そろそろ冬が来ようとしているある日…


いつも通り、他愛のない話をしていたなか、先輩が言った。



「俺の病気…知ってるんだろ?」




なんて答えればいいの?




「し、知らないよ。」




「嘘つくなよ!!」




急に大声を出されて、私は昔あったあの時を思い出した。



でも、今回は手を出して来ないよね?





そんな不安を抱えながら



私は言った。




「知らない。」




病名は何があっても言ってはならない。





だから、私は言わない。





何があっても口を閉ざす。



始めて病名を聞いたときから心に決めていた。






「やっぱり、お前は俺に隠し事をするんだな…」




そんな悲しそうな顔で言わないで…




「隠してなんかいないよ。」



「俺…もうお前とやってられねぇよ…。」



やってられない?





別れるってこと?






「なんで!?ねぇ…なんで!?」

「俺は美希を愛してる…。でも、美希は俺を愛していないだろ…。仕方ないんだ…。俺がこんな病気になったから…。今までありがとな。幸せになれよ…」




「嫌だ!絶対に嫌だ!私も先輩が大好きだよ!なんで?私が先輩のこと嫌いになるわけないじゃん!」



「もう、俺等もタイムリミットだ…。もう出て行って。俺はお前の顔を見たくない。」





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