契約妻ですが、とろとろに愛されてます
琉聖さんがコップに入ったお水と薬を持ってきた。


「飲んで」


琉聖さんが寝室に行っている間に、私は薬を飲んだ。すぐに戻って来た琉聖さんはテーブルの上を見る。


「飲んだか?早く横になるんだ」


「玲子先生みたい……」


そっけないせいで頬が膨らんでしまう。


「これで調子が悪くなったら元も子もないだろう?」


なだめるように言うと、額にキスを落としてくれる。


「……はい、真宮先生」


仕方なく返事を返すと立ち上がった。


******


シャワーを使いナイトウェアに着替えて寝室に入った。


琉聖さんはまだいない。少し仕事があるって言ってたっけ。


ダウンライトを点けて琉聖さんが入って来た時に室内が見えるようにしておくとベッドに横になる。


枕に頭をつけて目を瞑るけれど、久しぶりに病室のベットでないせいか眠りはやってこない。


隣にいない琉聖さんを恋しく思う気持ちが胸を締め付ける。


これじゃだめだよね……本気になってはいけない約束……知られたら契約は解除される。


そう思うと心が痛く、悲しみに襲われた。無性に琉聖さんに会いたくなる。


私はベッドから抜け出し、琉聖さんがいる書斎へ向かう。書斎のドアは閉まっていた。


ノックをすると中から返事がなかったもののすぐに内側からドアが開いた。


「柚葉、どうした?気分でも悪いのか?」


ネクタイを緩ませた琉聖さんを見て、胸がトクンと鳴った。


言葉が出てこなくて首を横に振ると、琉聖さんに腕を伸ばした。

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