契約妻ですが、とろとろに愛されてます
ハンドルを軽く握った琉聖さんは赤信号で止まると私を見た。


「ゆず、気分が悪いのか?」


車に乗ってからまだ一言も口を利いていない。


「あ……ごめんなさい……気分は悪くないです ちょっと考え事を……」


「考え事か……考え事に嫉妬をしてしまうな」


琉聖さんにそんなことを言われた私は一瞬あっけに取られた表情をしてしまったけれどすぐにクスッと笑った。


「考え事に嫉妬なんてしなくて大丈夫ですよ?私の考えていることは琉聖さんばかりなんですから」


「本当に?嬉しいね」


話していると車はマンションの駐車場に着いた。


******


駐車場からマンションまで再び抱きかかえられ玄関を入った。


琉聖さんは私をソファに座らせると何か飲みたいか聞いてくれる。


「紅茶、私がやります」


立ち上がろうとすると肩をそっと触れてもう一度座らされてしまった。


琉聖さんの前で元気にして見せるけれど本当は身体は辛かった。


「いいから 座っていなさい」


琉聖さんはシャツの袖を捲くりながらキッチンの中へ入っていった。

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