Last Summer -あの日のかくしごと-
プロローグ
ピッピッピッピッピッ

静かな部屋に響く機械音。
これがあの人が生きている証。
部屋に置いてある花瓶の水を取り替えて窓辺に置く。
半開きになった窓から吹く風が心地いい。

もう1年間、目を開けない。
あの人へ酸素を送るチューブをこれまで何回抜こうとしたことか分からない。
だって、あの人が起きてしまったら秘密が全部ばれてしまうから。






「そうでしょ、アキラ?」
< 1 / 11 >

この作品をシェア

pagetop