恋愛、友情。ときどき涙。2

それは……フラれるってこと……だよね。

分かってる……分かってるのに……ちょっとだけ心が痛む。


「……俺……多分、今のままだと沢木のこと傷つけるから」

「……え?」


想像してたのと少し違う言葉に、私は思わず顔を上げて杉山君の顔を見る。

……杉山君はまっすぐ私のことを見ていた。


「……さっきも言ったけど、俺……アイツのこと、完全に吹っ切れてないんだ」


うん……分かってるよ。

だって……杉山君、苦しそうだもん。


「だから……こんな曖昧な気持ちで沢木と付き合うことは……できない」


もっと……もっと、はっきりフッてくれてもいいのに……


「……傷つけたくないんだ。
……沢木のこと」


……どうして……そんなに優しいの……?


そんな言い方されたら……もっと……もっと好きになっちゃうよ……。


「……ありがとう。……杉山君」


……私は泣きそうになるのを堪えながら、小さな声でそう言った。


この言葉が合ってるのかどうかは分からないけど、もうこれしか言えなかった。

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