恋愛、友情。ときどき涙。2

「三上君……?」


はっ……綾乃!

綾乃は不思議そうな顔をしながらくーちゃんを見る。


「あのさ、沢木。
矢崎に何かされた?」


ちょ、直球……!

直球だよ、くーちゃん!


「え……」


綾乃はくーちゃんの質問に少し驚いた後、勢いよく首を横に振った。


「ち、違うの……!
音ちゃんは何も悪くなくて……!
これは私が、その……!」


"私が"?


「綾乃が……どうかしたの?」

「う……あ……あの……」


あれ……困らせちゃったかな?


「あー……ごめんね。
言いたくないなら言わなくても……」

「っ……ごめんなさい!」


綾乃はなぜかあたしに謝ると、そのまま教室を飛び出して行ってしまった。





「……やっぱりあたし何かしたかな?」

「……知らね」

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