You are my light



「いったぁ〜〜いっ」


「うわ、大丈夫ぅ?」



ちょっとあたっただけで大袈裟な。



「ちょっとあなた、気を付けなさいよね!」


「……すみません」



ぶつかってきたのはそっちも同じでしょうが、と思ったが口にはしない。


だって面倒になりそうだったから。


今も信じられない、やら最悪、その他省略の暴言らしいものをかけられている。


その間、私はというと派手な人たちだなぁ、と暢気に考えていた。


香水、かな……匂いがきついと思うんだけど。本人は大丈夫なのかな。


本気でそんなことを考えていたとき、グループにいた一人が私の態度にむかついたらしい。



「聞いてんのかよっ!」



パシッ、と乾いた音がしたかと思うと左の頬にジンジンとした痛みを感じた。



……私、叩かれた?


一瞬何が起こったか理解することができなかった。


叩かれる、もとい殴られるのなんて久しぶりかもしれない。


そっと頬を触ると少し熱い。


多分赤くなってるだろうな、とぼんやり考える。


こんなビンタに当たるなんて……軽く自分にびっくりだ。


どれだけ相手のことを認識してなかったんだって話だ。それとも勘が鈍ったかな?


そのうちかな兄たちのとこ行って特訓しよ。


頭の中で一通りの整理がついたからか、目の前の会話が耳に入ってくる。



「ねぇ、こいつ最近莉都さまに近づいてるやつじゃない?」


「はぁ?こいつが?」


「あたしも見たことある!」






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