ベイビー、君は僕のもの
「……お母さんたちに、なんて言おうか?」



ようやく、涙が落ちついてきた頃。

あたたかくて心地良いかなちゃんの腕に抱かれながら、わたしはポツリとそうもらした。

対するかなちゃんは問題ないとでもいうように、チュッとわたしのおでこにキスをする。



「大丈夫。俺最初から、母さんに言ってたから」

「え? なんて?」

「……聞きたい?」



もったいぶるように訊ねられて、素直に頷いた。

ニッと意地悪な笑みを浮かべ、すーっと、彼の指先がわたしの首筋をなぞる。



「『俺、こいつが欲しい』ってさ」

「……!」





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