青い糸【完】
時を刻む
「────翔真、梨咲乃!」
しばらくして教室に戻ると、北原くんが心配そうな顔をしてこちらへ向かってきた。
「どこ行ってたんだよ!?」
「わ、悪ィ!屋上で遊んでた」
「アホか!...弁当は?」
「まだ食べてない。つか、腹減ってない」
「ちゃんと食わないと死ぬぞ?梨咲乃も!」
「ご、ごめん...」
「......さっき...」
謝ったあたしを見ながら、北原くんが慎重な声で言った。
「大丈夫だった?」
「......うん」
どこか切ない表情をしながら、柔らかな笑顔を見せる北原くん。
きっと、もっと沢山聞きたいことがあるんだろう。
でも、あたしのことを考えて、それを堪えてるのかな...。