恋花火~あの日、言えなかったコトバ~
第4章 END OF THE SUMMER

初めてのKISS

「まさかカナに先越されちゃうなんてなぁ」

「サヤカごめんね、でもあのサイトのおかげで彼と知り合えたんだよ」

「あ、あのバンドのやつだっけ?て事は彼氏、音楽やってるんだ」

「うん、ベースをね。弾いてるとこあまり見た事ないけど…」

「それでそれで?彼氏ってどんな人?」

「んーとね…全部が素敵な人」

「はいはい、一生言ってなさい」

「ホントだよ、いいとこありすぎてうまく言えないくらいなんだ」

「ま、あれだけ恋愛に興味なかったカナに彼氏が出来てお姉さんは嬉しいゾ」

「お姉、って…じゃあ駅前のケーキ食べたいな、お姉さま」

「彼氏に連れてってもらいなよ~、ていうか、抜け駆けしたんだから逆におごってもらわないとね、マイ」
「うー、食べたいけど最近ダイエット中だからなあ」
「あ、今日この後待ち合わせしてるんだ。ごめんね2人とも、今度埋め合わせするから!」

「女の友情より恋愛かぁ…カナもすっかり変わっちゃったね」

「でもうちらの中で一番奥手だったカナが選んだ人なんだし、温かく見守ってあげよ、サヤカ」

「だね。このままあの子が彼氏とうまくいってくれたらそのうち誰か紹介してくれるかも知れないし」

「それ期待して待ってたら、夏休み終わっちゃうような…」
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