東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
征史さんは私の背中に左手を回した。



「…征史…さん?」



「…目を閉じろ」



瞳を閉じると征史さんの接吻が落ちて来た。

私も積極的に口を開けて彼の舌を受け入れる。



「んんっ…ふぁん…」


拙だけど舌も懸命に絡め合わせた。


「はしたない女だ…」


征史さんは私を侮辱しながらも満足気味な含み笑いを湛える。



「貴方が銃撃された成宮さんから訊いた時…生きた心地がしませんでした」






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