東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「!?」


車の後ろから人の呻き声が訊こえる。


「どうしたの?千愛」



「…人の声が…」


「人の声?」



結城さんが車の後ろへと歩み寄る。

私も結城さんの背中を追った。



「「!!?」」


紫紺の制服姿の男性が壁に凭れかかって呻いていた。



「この制服の色って…『陰陽庁』の制服かしら?…じゃあ~この人は陰陽師?」


「・・・」


よく見ると…彼の顔はあの海里に激似。

海里は私の初恋の相手…フルネームは御堂海里(ミドウカイリ)
彼は有名な人気ショコラティエ。



「…『陰陽庁』に連絡しましょ」



「待って…結城さん…」







< 164 / 300 >

この作品をシェア

pagetop