東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「!?」
千愛さんはソファーを立ちあがって目の前の家具の引き出しから何かを取り出した。
「貴方が持っていた写真よ」
「…これは!?」
千愛さんは俺が肌身離さず持っていた椿の写真を持っていた。
「椿さんって…白黒で良く顔は見えないけど…私に似てるわね…」
「…千愛さんは千愛さん。椿は椿だ…俺は似てるとは思っていない」
俺は千愛さんに失礼だと思い、嘘をついた。
「…マジでそう思ってる?」
「マジとは何だ?」
「本気って事」