東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
紙袋の中には『陰陽庁』の制服と拳銃が入って来た。



「…この世界に来て何日目だ?」

俺は海里の自動車の助手席に乗り込んだ。

昔の自動車に比べ、シートも型も素晴らしい。



「まだ、3日目だ…」


「そうか…千愛には手を出したのか?」



「まさか…俺には椿という妻がいる…」

俺は千愛さんには何度も誘われたが…理性で拒絶した。



「この自動車…素晴らしいな…」


「…千愛は椿に瓜二つだろ?見てて何も感じなかったのか?」



「確かに千愛さんと椿は似ているが…二人は同じ人間じゃない…」



「お前には同じ女には見えないのか…」



「!?」







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