東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「椿…俺に謝るな…お前はお前にしか出来ない大役を果たそうと日々…努力している…お前の役目は立派に俺の子を産む事だ。俺の世話はいいから…大役に専念しろっ」



「征史…さん?」



「返事は?」



「はい」



「よし…いいぞ」



征史さんは私の頭を優しく撫でてくれた。



「私…貴方と結婚出来て…本当に幸せです」



「俺も幸せだ…椿」



この幸福に向こうにあるのは…更なる幸福。


私はそう信じ込んでいた。


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