東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「終わった…自分のベットに戻れ」



私は脱がされた肌着と着物を慌てて着込んだ。



「征史さん…私…貴方の寝床を汚してしまいました…今夜は私がこの場所で寝ます…」


敷き布が私の鮮血で汚れていた。



「いいから、貴様は早くベットから出ろっ」



征史さんの冷たい声が寝室に響く。



「はい」



私は羽音のような声で、彼のベットから出て隣のベットに移った。



「貴様が誰とも交わっていない事は理解した。二度とこのような事はしない」







< 93 / 300 >

この作品をシェア

pagetop