時と言葉と風
大切なコト。
誰かが確かこんなことを言った気がする。



“目標”かも知れない。だけど“通過点”になるかも知れない。



私はこれを聞いたとき、全然意味が分からなかった。
完全に分からなかった訳ではない。
でも日常では感じたことなんて無かった。



ただの“きれい事”として認識していたのかも知れない。



そんな私は普通に学校に行って普通の生活をしている。
特別何かが得意なわけでもない。
でもそれなりに幸せを感じていたのも確かだっ
た。




「早く来すぎちゃったか…。」




部活があったために校門が開くときに登校してしまった。
しかしまだ部員はあまり揃っていなかった。
そこに居たのは男子がただ一人。
名前くらいしか知らない人だけど。
その人は私にこんなことを尋ねてきた。




「ねえ、目標の先には何があると思う?」




「目標の先?」




「うん。言い換えるならゴールの先。」




「…ゴールの先?」
< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop