上々、花日和


ホノルルから30分くらいでエワビーチに到着した。

「わあ!」

一直線に伸びるビーチサイドに住宅地が並行している。ワイキキとはまた違う顔を持つ。

「海、行ってきてもいいですか?」

「もちろん」

私は裸足になり砂浜を歩く。
熱くなった砂がじんわり熱を伝う。波はとても穏やか。
波打ち際はキラキラ眩しい。

海には気ままにサーフィンをしているけど、人が少ない理由は平日だからだろうか。

「ここは住宅地だから。近くにゴルフ場はあるんだけどね、観光客はほとんど来ないよ」

「とても素敵です。永富さんありがとう」

白いシャツに紺色のハーフパンツに笑顔が素敵な永富さん。

「すぐそこだから、先に荷物置きに行こうか」

「あ、はいっ」

「歩いて来れるから安心して」

ここを去りたくないという気持ちを読み取られたのかな。

私達は再び車に乗り、住宅地の中にある家に車は止まった。

トランクからマーケットで買った荷物を取り出し玄関へ行く。
永富さんはポケットから鍵を取り出し鍵を開ける。

「…え」

「どうぞ」

開かれたドアの向こうに入る。永富さんも一度置いた荷物を持って玄関に入る。

「靴は脱いで入って、日本と同じで」

「あ、うん」

なになに?どういうこと?

「荷物はいいよ、そこ置いて」

ズカズカと家の中入っていいの?おかしいって!え、待って待って、ここ友達の家じゃないの?

「あのっ」

私は焦り気味で、この家のことを聞こうとした。

「ここ、俺んち」

「えええっ!?」
< 17 / 47 >

この作品をシェア

pagetop