嘘と微熱と甘い罠
え?
胸元?
相良のその仕草に。
私自身の胸元に視線を落とすと。
そこにあったのは。
小さいくせに存在感たっぷりの赤い痕。
「ど、ど、どこ見てんのよ!!バカ相良っ!!」
「見たんじゃなくて見えてんだよ」
「だからって見なくてもいいでしょっ!!」
「俺だって見たくて見たんじゃねぇよ」
慌てて胸元を手で覆うけど。
相良にはバッチリ見えてしまったらしい。
もー、笠原さん!!
普段はこんなのつけないくせに。
こんな時にやめてよーっ!!
横目でチラリ、相良を見ると。
相良も私の方を向いていて。
目が合うと。
小さくため息を吐かれた。