生きたくなんてなかった




この頃の俺は


バイト

高校の勉強

紀本のお見舞い


そんなものを並べて、忙しいからと考えるのを放棄していた。


でも、このままではいけないことも分かっていたんだ。


俺が何となく過ごした一日は


紀本がすごく生きたい一日だから。


それに入院中に何人かの患者さんが亡くなった。


その人たちの生きたかった一日でもある。




そのこともちゃんと分かってる。


紀本への想い

自分の中にある、渦巻いた想い


この二つの想いをいつか…










< 75 / 94 >

この作品をシェア

pagetop