花と雨の恋物語【短】
第四章:運命のヒト





「昨日さ、花ちゃんがここに座って何か考え込んでたんだよ。俺も、前からあの子がここで絵を描いてたのは知ってたし。それなのに昨日はぼーっとしててさ。だからお前の話でもしてやろ~と思って、彼女の隣に座ったわけさ。」



「は?なんで俺の話なんか・・・」



「だって、お前さ花ちゃんと話してるとき、鼻の下伸びきってたよ??好きですって顔に書いてあったよ?面白いじゃん。お前のそういう顔見たことなかったし。だから♪」



「このやろう・・。」




嬉しいような、嬉しくないような、照れくさいような。



俺って、そんなに分かりやすい態度取ってたんだ。





「んで、まぁとりあえず、お前の話を隅から隅までしてやったわけよ。ずっと嬉しそうに聞いてたぞ、あの子。まぁ、俺からはそのくらいのことしかいえないけど。
とりあえず、花ちゃんに勘違いさせるようなこと言ったんじゃないの??追いかけろよ。気持ち、伝えるなら今じゃないか??くさいこと言うようだけど、人を好きになるのに時間とか理由とか関係ないと思うぜ?行け~、秀ちゃん!」



ドンっと結構激しく押されて、俺は一歩前に出た。



「はっはっはっは!それでいいのだ、村上よ。一歩前に出ろ。じゃないと、花ちゃんには近付けないぞ。そして、うまくいったら俺に女の子紹介しろ!!」




「永山・・・。お前ってそんなに良いやつだった???」



ガクッと肩を落とす永山。



「おい!!俺はいつだって良いやつだ、馬鹿野郎!!」


「はははは(笑)冗談だよ。サンキューな、永山!まさかお前にこんなに元気もらうなんてな。俺もはっきりとは意識してなかったけど、きっとすごく彼女のことが好きみだいだ。男らしく、当たって砕けてくるよ!」





俺は、当てもなくまた走り出した。




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