王子様と恋したい

美香の彼氏は、ひとつ年上の爽やかなイケメンだった。
誠実そうで、この人なら美香を幸せにできるなって思った。




美香に紹介されてから、3人で会うことも珍しくなかった。

美香の彼氏…直人さんは、県でもトップクラスの進学校の高校に通っていて、忙しいながらも時間を見つけてはわたしたちの中学に来てくれた。



わたしは、当たり前のように美香に会いにきていると思ってた…
けど、直人さんは違った。



「夏希…直人にふられちゃった…」



美香に言われたのは、中3の冬休みが始まる一週間前。



泣く美香をわたしは隣りで支えた。
2人の事に口を挟む権利は無いから、ただただ美香の話しを聞いて励ました。




わたしも直人さんに会うことはもう無いだろう。



そんな事を思いながら帰りに正門を出ようとしたら、そこには直人さんがいた。







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