唇が、覚えてるから
「私達は、もう、出会っちゃったんだよ……」
祐樹がいない世界なんて、もう考えられないくらいに。
こんなにも、私の心を支配しているのに。
「祐樹ぃ………っ!!!!」
祐樹も、同じ気持ちでいてくれるなら。
……お願い。
「祐樹、祐樹、祐樹…………!」
祐樹の胸に頭をつけて、名前を呼び続ける。
「………ごめん。それは出来ない」
───最終宣告だった。
きっともう何を言ってもだめだというを印籠を突き付けられた瞬間。
「……っ…」
私はそのまま地面に崩れ落ちた。
祐樹にとって私は、それだけの相手じゃなかったんだ……。
当たり前か。
自分のこれからを賭けてまで、私を選んでくれるはずもない。
成仏できずに、幽霊になんかなりたくないよね。
まだ、出会ったばかりの私なんかのために……。