唇が、覚えてるから

「……ゆう……ごめんっ……」


そんな祐樹に向かって私。

なんてことを言ったんだろう。

自分が恥ずかしい。


「……ゆう……き…」


ぎゅうう……

私は祐樹の胸に顔を埋めてしがみついた。


それが1分なのか10分なのかは分からなかった。

けれど。

私達にはものすごく大切な時間で。

会話はなくても、私はずっと祐樹を感じていた。


トク、トク、トク……

祐樹の胸を強くたたく鼓動が『本当は俺だって生きたい……』祐樹の心の叫びに聞こえて。


「うわあああーーっ……うわわわあああぁぁぁーーーーーーっ……!!!!」


どんなに我慢しようとしても、祐樹のシャツを濡らしていくだけ。
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