ルーツ
しかし、僕はおっさんの右手に握られているものに
目が釘付けになりました。


そうです。床の上に僕が突き立てたナイフを握りしめ
おっさんは立っていたのです。




「ふふ…」


僕の背後でルーツがかすかに笑います。


そしておっさんは握りしめたナイフを
ゆっくりと顔の前に持っていきました。



目の前に立つ僕の顔がナイフに歪んで映っています。

< 110 / 377 >

この作品をシェア

pagetop