ルーツ
あーあ、何でこんなことになるんでしょうねえ。
人生の一大事件ですよこれは。



僕は意地になりましたね。
何とかして彼女に僕を好きと言わせようと。



本来の僕の人生のあるべき姿に修正しよう。
そう思いましたねえ。




それにしても彼女が僕の告白を断ったときのあの顔。
今でも僕の脳裏に焼き付いて離れないんですよ。




彼女は何か汚いものを見るような眼で僕を見たんですよ。
そして彼女から出た言葉が






「ごめんなさい。私彼氏がいるの」





こんな展開は僕の人生の上で、あってはならないんです。
だから修正する。




あるべき姿に。


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