YUKI˚*




悠斗くんはあたしと須嶋くんに深く頭を下げた


「昨日また二人が会ってるの見て……俺…本当、ごめん。」



だから、おかしくなっちゃったんだね


それであたしにさっきあんなこと……



「昨日は、俺も、三人で会って今日言おうって話をしてたんだ」



ずっと黙っていた川村くんが言った


「だって…顔上げて?悠斗くん」



「いや、本当に悪かった」



ほら、やっぱり


悠斗くんもユリさんも本当は



こんなにいい人だった



「もうウザいから、顔上げろよ」


そんな言い方だけど、須嶋くんもちゃんとわかってる



あたしはユリさんの背中を押した




「ほらっ」



ユリさんは泣きながら




悠斗くんに抱きついた




「ごめんねっ…悠斗……悠斗〜〜っ」




「俺も、ごめん」



そう言って優しくユリさんを抱きしめる



ああ、良かった


本当に




「ゆきちゃん、また泣いてるの?」


だってだって〜〜



二人とも、本当によかった




また、涙が止まらないあたし


隣の須嶋くんがそっと手を握ってくれる




「はぁ……まぁ、一件落着?」



川村くんがホッとしたように


すごく優しい顔で



「川村くんが、二人を連れて来たの?」



「うん。毎日ユリさんに会いに行って、一度会って話をするように……ケンも。間に合って良かったよ」



だから、ずっと放課後いなかったんだね


今日も




「ありがとう、川村くん」



きっとあたしは涙でぐちゃぐちゃの顔だったけど


川村くんは笑ってくれた




「じゃ、俺はもう行くよ」


そう、川村くんが言って



「あ、あたしたちも……本当にごめんなさい」



最後にまた謝ろうとする二人



「あっ…謝らないで!あたしも今まで逃げてたし……あたしも悪かったの」




すると、悠斗くんが顔を上げて



「じゃあ、ありがとう」


あ……



「あたしも、ありがとうございました!」



ユリさんも続けて言う



「ふふっ…ありがとう!」



やっぱり


ごめんなさい、より



ありがとうの方が




何倍も嬉しいね



須嶋くんも、笑ってる







そして、みんながいなくなって



屋上には…あたしと須嶋くん


二人きり





突然須嶋くんがあたしに向き直った



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