YUKI˚*









「ダメだ。先生に何かの間違いだっつっても相手にされない」



「川村くんでも?」



「ああ。しかも停学中はケンと会うのも連絡取るのもダメだって」




あたし達にできること



っていっても何もできなくて




もどかしい



「一日でも早く停学を取り消さないと…大学行けないかもしれないのに……」



少し離れてもいいから



須嶋くんには大学に行って欲しい




何かできないの?



そんなことを思っても、時間は刻々と過ぎて行く




そしてあっという間に三日が過ぎてしまったその日






「ゆきーっ!!!」



「わっ…ど、どーしたの?!」




朝から教室に入るなり、まなみんがあたしのところに走ってきた



「須嶋に…ヤられたかもしれない相手の意識が戻ったって!」



「うそ!本当?!」



「ほんと!今日放課後その人の病院に行って話聞いてみよう」



「うん!」





良かった…



これで相手の人が須嶋くんにヤられてないって言ってくれれば



須嶋くんを助けられる




あたし達は、学校が終わるとすぐにその人のいる病院へ行った







そして驚いた



その人の頭は包帯でぐるぐる巻きにされていた





「……あ、あの」



「何だよてめーら」



そしてとても怖い感じの人




でも、だからってここでめげてるわけにはいかない



須嶋くんのためにここまで来たんだから




隣のまなみんと川村くんと顔を見合わせて頷いた



「あの!その怪我は、本当に須嶋健人にやられたんですか?」



直球で聞いた質問に、彼の顔は引きつった




なんで、そんな顔するのーー



「ああ!ソイツだよ須嶋!ぜってー許さねー!」



……そんな




「そんなわけない!相手を間違えてるんじゃないんですか?!」



「そーだ!ケンは約束は破る奴じゃねー!!!」



まなみんも川村くんも、あたしが思ったことを先に言ってくれた




でも



返ってきた返事は





「須嶋健人がヤったんだ」






もう



なすすべもなくて






限界だった





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