君に捧げる夏

6月9日

生きていることすら、分からなくなるぐらい俺は暇人で。

それを暇だとも感じなくなってきたぐらい俺はおかしくなっていた。

なんとなく受けた高校受験で合格しても、それは変わらない。

ただ暇で、ただなんとなくこの場所に、この家庭にいるだけ。

不登校の弟に、喧嘩や不倫ばかりしている、俺達に何一つ関心がない親。

そんな家族の中では俺はいつも一人だから……。

ただ、与えられた金で遊び歩くだけだった。



しかし、そんな日々も高校に通い始めるとだんだん変わっていった。

友達がいなかった俺は、何故か一つ上の先輩(男子)と仲良くなり、隣のクラスの女子2名とも何故か仲良くなっていったのだ。

先輩とは、図書室出会い勉強を教えてもらったことが始まり。

そして、隣のクラスの女子は、自己紹介の時の声が俺の教室まで届いたことが始まりだった。



『私の名前は、真山美緒。こっちは双子の妹の美羽。ってさっきも紹介したか。私は日々オタクの道を極め、触手・屈辱系を見れるように頑張っている最中だ!
みなのもの、よろしゅーたのみますわっ!!』

とかなんやら、ちょっと変わった魂が篭もった自己紹介を言った女子が気になり、

下校中に声をかけた、それだけで何故か「ブラザー」とされてしまったのだ。



当時は迷惑だったが、今では良い遅刻仲間として学校でも有名(何故か先輩も)。

まぁ、教師の間ではブラックリストに載っているだろう。

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