TRICK of FATE ~キミと出会えたコト~




「こないだ言ったご褒美、やってよ?」


「え...あれはやんなくていいんじゃ...」


そーだよ...やんなくていーじゃーん。


っつか、やんなくていいって言ってたよね?


「やんなくていいなんて言ってねぇよ。今じゃなくていいって言ったんだ。」


「な...!」


なんじゃそりゃあー!!!!


しかも、今はダメでしょ今は。


「杏とかに見られちゃうよ?」


「だから、秀が帰ってくる前に早くしろ~」


「え...」


「凜からやんないなら2人が帰ってきてから俺が堂々とするよ?」


「それは...」


それは...困る!!


「早くしねぇとー。ほら、そろそろ帰ってくるぜ?」


あーもう!!


私はゆっくり春に顔を近づけた。


2人の階段を上がる足音が聞こえる。


ヤバい、早くしなきゃ。


優しく、私の唇と春のそれが触れる。


よし、あとは離すだけ。


と、思った瞬間。


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