初恋が実るとき・前編~あの夏を忘れない~
箱の中身を出してみる


キラキラして大好きだったビー玉
動物のぬいぐるみ
何処かで拾ったのか大きな石まで
いろんなものが入っていた



そしてたくさんの写真




「あたしの小っちゃい時だ」
いくつの時だろ?




写真の裏には
『優香 5才』って書いてあった



ぜんぜん覚えてないや



でも
後ろに映ってるのは
紛れもなくおばあちゃん家だ




写真の束をめくっていくと
近所の子だろうか


数人の子供たちと
並んで写ってる写真もあった



あぁ
そういえば
いつも一緒に遊んでくれた兄弟がいたなぁ


「あった!」
あたしと男の子2人
と、背の高い女の子
4人で写ってる写真を見つけた



うんうん!
この兄弟だ!!




あたしよりちょっと年上の兄弟で
一人っ子だから
本当のお兄ちゃんが出来たみたいで嬉しかったっけ




少しだけ遠い昔の記憶が蘇る






「あ、貝殻!」
箱の片隅に埋もれてる貝殻を取り出す


これ!
宝物にしてた!!


懐かしい


すっごい欲しくて欲しくて



その後・・・・
誰かに貰ったんだ・・・・



んーー
思い出せないや




その時




ブブッ♪
携帯のバイブ音



『お祭りに行こう!』
まもるさんからのお誘いだ






まやもやだったあたしの心は
一気に晴れた!!



恐るべし恋のパワー!!


あたしは急いで写真を箱に戻した









そう
写真の裏に書いてある名前を見るのは
もう少しあとの事になる



< 34 / 83 >

この作品をシェア

pagetop