初恋が実るとき・前編～あの夏を忘れない～

部屋に戻り
4人で写った写真を箱から取り出す



蘇った記憶の中には
たくさんの思い出があった


たしかにあたし
『お兄ちゃんっ子』だった


大好きでいつも後をついて回ったっけ
それをバカにしてた・・・・さとる



写真の中の男の子2人は
そっくりな顔で笑っている


兄弟は双子だった


『双子なのに、なんでまもるだけお兄ちゃんなんだよ！』
いつも言われてたっけ・・・


それでもあたしは
さとるを『お兄ちゃん』とは呼ばず


お兄ちゃんだけを『お兄ちゃん』と呼んでいた





あたしは友子さんの言葉を思い出していた



あたしの頭のパズルは
一つも繋がらなかった・・・・