second story

まさかのエントリー

「うそ…何これ」

学園祭を間近に控え、校内の至るところで準備が

進められている中、サヤカと帰ろうとしていた時に

あたしは信じられない物を見つけた。

「カナ、エントリーされてるね…」

昇降口の壁に貼られた、今年のミスコン候補リスト

その中に何故かあたしの名前が書かれていた。

「もー、何で?誰が推薦したのっ?」

「まあまあ、最後の思い出作りと思って

参加してみたらいいんじゃない?」

サヤカがいたずらっ子のように笑う

「他人事だと思って…

あ、でも多分あたしは予選落ちだな。

ほら、本選に進めるの3人だけだって」

候補者は10人、つまり70%の確率で

あたしは選ばれずに済む

「1次審査結果出るのは明後日だって。

まだPRの話すら来てないのにアバウトだね」

「そりゃ最初は外見メインの投票でしょ。

本格的に取材とかされるのは、その後だよ」

「…なんか、最低。男子って何考えてんだろ」

「それってナオキさんの事も含まれてるのかなー?」
「彼は特別なの!うちの男子と違って、ガキじゃないもん」

「はいはい、なら尚更その特別な人の為に頑張らないと。

彼女がミスコンだったら彼氏としても鼻が高いよ」

「うぅ…そこ突かれると何も言えない」
< 12 / 18 >

この作品をシェア

pagetop